
四月のやわらかな風が園庭を渡り、子ども達の頬をそっと撫でていきます🌸 新しいクラスにも少しずつ慣れ、あちこちで「やってみたい」の芽が動き出したこの一週間。先週の「やってみよう」が、今週は「じっと観てみる」「うまくいかないから、考えてみる」へと育っていきました。今日はその小さな発見の数々を、保護者の皆様にお届けします。
見て、感じて、動きだす
室内あそびの日、色とりどりのカラーボールがざあっと出てくると、すみれ組(1歳児クラス)の子ども達の目がきらりと輝きました。的をめがけて力いっぱい投げる子、転がるボールをとことこ追いかける子。そのうちの一人がマットの上でぴょんと跳ねはじめると、離れていた子まで「あっ」という顔で次々に集まってきて、いつのまにかみんなでジャンプ。「きゃっ、きゃっ」と弾ける笑い声が、部屋いっぱいに響きました。

憧れは、年上のお兄さんお姉さんが乗って歩くパカポコ。いちご組(2歳児クラス)のある子が、自分でそれを持ってきて挑戦しました。ところが紐を持つと黄色の台がぐらりと傾き、ひっくり返って足が置けません。台を戻しても、また傾く。しばらくじっと考えていたその子は、紐をそっと手放して、先に台へ乗ってみることにしました。すると、上手に乗れたのです。「先生、出来た! 紐取って」と、輝く笑顔でこちらを見上げました。自分で考えて、自分で答えにたどりついた瞬間でした。

色とことば、想像のひろがり
うめ組(3歳児クラス)は、クレヨンでの自由画に夢中です。好きな色を選び、腕ごと大きく動かして、ぐるぐる、とんとん、色を重ねていきます。「なにを描いているの?」とたずねると、「うみ」「アンパンマン」「ママ」と、ことばにしながら形にしていく子ども達。一方で、丸をひとつ描いて「もうやらない」と手を止める子もいます。それでいいのですね。ことばと色を行き来しながら、一人ひとりが自分の世界を広げていく、豊かな時間でした🖍️

さくら組(5歳児クラス)では、前の日の話し合いから、クラスでひとつの大きなこいのぼりづくりが始まりました。折り紙で目や鱗をつくるうち、ある子は小さなこいのぼりを描いて「こいのぼりのあかちゃんも一緒に泳がせたい」と発想をふくらませます。空を泳ぐ姿を思い描いた子たちは、「鱗が小さいと、空から見えないんじゃない?」とはたと気づき、どうすればきれいに見えるかを考えて、「大きく作ればいいんだ!」とひらめきました。つくりながら想像し、想像から次の工夫が生まれていきます。

「やってみたい」の先にあるもの
この一週間、年齢もクラスもちがう子ども達に、私は同じ一つの光を見ていました。誰かの楽しそうな姿に、体が自然につられて動きだすこと。思うようにいかない時、すぐに答えをもらうのではなく、自分でしばらく考えてみること。私は、子どもが心の内側から「やってみたい」と動きだす、その小さな衝動こそが、いちばん大きく育つ種だと思っています。友だちと同じ時間、同じ楽しさを分かち合う経験は、人を信じ、共に生きていく心の土台になっていくのですね。

つまずいて、考えて、自分でみつけた「できた!」は、大人が先に教えた「できた」よりも、ずっと深くその子の自信になっていきます。ご家庭でも、つい手を貸したくなる場面を、ほんの少しだけ待ってみてください。お子さんの真剣な横顔の先に、どんな発見が待っているでしょうか😊
