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「はじめて」が指先で咲いた一週間

2026.04.25

「はじめて」が指先で咲いた一週間

小さな指が、世界にふれる

4月も下旬に入り、園庭の空には鯉のぼりが泳ぎはじめました🎏 進級して三週目、新しいクラスの椅子にもすっかり体が馴染んできた子ども達。この一週間、園のあちこちで小さな指先が「はじめて」に出会っていました。

すみれ組(1歳児クラス)の部屋では、一枚の花紙が主役でした。両手でギュッと丸めてみたり、力いっぱいちぎってみたり。「ちぎれた!」と声をあげる子。頭の上から落とすとヒラヒラと舞うことに気づいて、その行方をじっと目で追う子もいます。指先に伝わる、やわらかさ、破れる手ごたえ。ひよこ組の頃に味わった感触を体が覚えているのか、一心に握りしめ、ちぎる姿がありました。

花紙をぎゅっと握って、ちぎれる感触に夢中のすみれ組さん(1歳児クラス)
花紙をぎゅっと握って、ちぎれる感触に夢中のすみれ組さん(1歳児クラス)

うめ組(3歳児クラス)は、鯉のぼり作りではじめての絵の具に挑戦です。担任があらかじめ白いクレヨンで模様を仕込んでおいた画用紙を配ると、ある子がすぐに「何か見える!」。筆で色を重ねていくと、隠れていた模様がふわりと浮かび上がります。「あれ?不思議、模様がでてきたよ!」——はじき絵の仕掛けに驚く声があちこちで。色を混ぜて自分だけの一色を作る子、好きな色を並べていく子。同じ仕掛けを前にしても、「あれ?」と立ち止まる子と、我が道をゆく子と、表情がくっきり分かれるのが、また面白いのです。

筆でなぞると、隠れていた模様がふわり——うめ組さん(3歳児クラス)のはじき絵
筆でなぞると、隠れていた模様がふわり——うめ組さん(3歳児クラス)のはじき絵

自分で選んで、ずっと先まで

もも組(4歳児クラス)の鯉のぼりは、折り紙・にじみ絵・花紙・画用紙——四つの作り方の中から、自分で選ぶところから始まりました。担任が見本を並べると、「これは鱗綺麗だな」「もう決まったよ」と、迷いなく心を決める子ども達。黒板に書かれた終わりの時刻を見上げては、「もう3になるよ」「もう終わりだよ」と、友だち同士で声をかけ合う姿も。自分で選んだからこそ、その一枚に向かう横顔は真剣そのものでした。

「これにする」——四つの見本から、自分の一枚を選ぶもも組さん(4歳児クラス)
「これにする」——四つの見本から、自分の一枚を選ぶもも組さん(4歳児クラス)

さくら組(5歳児クラス)は、地域の方に教わりながらはじめての稲の種まき。手のひらの種をのぞきこんで、「スイカの種に似てるね」「これがご飯になるの?」と不思議そう。土を用意し、水をやり、パラパラと種を蒔いて、そっと土をかける。「やりたい」の気持ちが溢れて、水を入れる手が止まらなくなるほど。「早く食べたいね」「楽しみだね」——これから何ヶ月もかけて育てていく稲に、もう心を弾ませていました🌱

手のひらの種をじっとのぞきこむ、さくら組さん(5歳児クラス)の稲の種まき
手のひらの種をじっとのぞきこむ、さくら組さん(5歳児クラス)の稲の種まき

「やってみたい」の芽を守る

同じ「はじめて」でも、1歳の指が味わう感触、3歳が出会う不思議、4歳が下す選択、5歳がふくらませる期待——年齢が上がるほど、その世界はゆっくりと先へ、遠くへと伸びていきます。けれど、どの子の中にも流れているものは同じです。「何だろう」「やってみたい」という、誰に言われたわけでもない、内側から湧いてくる気持ち。私は、この小さな衝動こそが、これから先の長い学びを動かしていくエンジンだと思っています。だからこそ私たちは、答えを先に手渡すのではなく、子どもが自分で選び、自分で気づく——その時間を、そっと守りたいのです。

指先に伝わったやわらかさ、浮かび上がった模様への驚き、選び取った一枚への誇り、まだ見ぬご飯への期待。この一週間、子ども達が夢中で見つけた「はじめて」は、きっと未来へつながる小さな根っこになっていきます。ご家庭でも、お子さんの「あれ?」や「やってみたい」に出会ったら、どうか少しだけ立ち止まって、その横顔を一緒にのぞきこんでみてくださいね😊

園の普段を、その目で見にきてください。

ブログで気になったことは、見学で直に確かめられます。お気軽にどうぞ。