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「これがいい」から、夢中は始まる

2026.05.16

「これがいい」から、夢中は始まる

新緑がまぶしくなり、園庭を渡る風にも初夏の匂いが混じるようになりました。運動会に向けた準備や、夏野菜の苗植えが本格的に始まり、子ども達の毎日はいつにも増して賑やかです。そんな一週間、園のあちこちで同じ言葉が聞こえてきました。「これがいい」。誰かに言われたからではなく、自分で選び取った子ども達の声です。🌱

「これがいい」の声があちこちで

いちご組(2歳児クラス)では、傘の製作をしていました。カタツムリやカエルの写真をじっと見て、雨の日のイメージを膨らませてから、青いシールを雨粒に見立てて貼っていきます。「雨、雨」とつぶやきながら貼る位置を真剣に考える子。「雨くっついちゃった」と傘の面にぺたりと貼り付けて笑う子。同じシールでも、貼る場所は一人ひとり違います。「ここに決めた」——その小さな一言に、自分で決めた誇らしさが滲んでいました。

「ここに決めた」——青いシールを雨粒に見立てて貼るいちご組(2歳児クラス)
「ここに決めた」——青いシールを雨粒に見立てて貼るいちご組(2歳児クラス)

うめ組(3歳児クラス)では、運動会の障害物走でもらえる「宝物」作り。王冠・メダル・ネックレスの三つから、それぞれ「これ」と選んだものを作っていきます。同じ王冠でも、白い所がなくなるように折り紙を重ねて貼る子、重ならないように並べて貼る子。「赤だね、青だね」と色を選ぶ手つきにも、こだわりが表れます。出来上がると友だちと見せ合い、頭に合わせたり胸元に置いたり。「見てみて、出来上がったよ」と得意げな顔が並びました。👑

「見てみて、出来上がったよ」自分で選んだ王冠を見せ合ううめ組(3歳児クラス)
「見てみて、出来上がったよ」自分で選んだ王冠を見せ合ううめ組(3歳児クラス)

選んだから、こんなに丁寧

もも組(4歳児クラス)のこの日は、前のクラスの話し合いで自分たちが決めた夏野菜の苗を、いよいよ植える日でした。どうやって植えるのか説明をしっかり聞いて、プランターに土を入れ、優しく苗を植えていきます。「オクラ植えたんだ!」「私はトマトにしたよ!」——植え終わると、口々に自分の選んだ野菜を報告し合い、たっぷりと水をあげていました。自分で選んだ苗だからこそ、これからの水やりや世話にも、きっと張り合いが生まれていくのでしょう。

自分で選んだ夏野菜の苗に、たっぷりと水をあげるもも組(4歳児クラス)
自分で選んだ夏野菜の苗に、たっぷりと水をあげるもも組(4歳児クラス)

さくら組(5歳児クラス)では、運動会に向けた万国旗づくりが進んでいました。ずらりと並んだ見本を前に、友だち同士で話し合いながら、描きたい国を選んでいます。「星がある国旗にしよう」「黒の線が入っているのがかっこいいよ」。決めた後の塗り方にも、一人ひとりの工夫が光ります。色をくっきり出そうと力を込める子、小さな星が消えないように周りを縁取ってから塗り始める子。同じ国の国旗でも、同じものは一つとしてありません。

描きたい国を選び、色を丁寧にのせていくさくら組(5歳児クラス)の万国旗づくり
描きたい国を選び、色を丁寧にのせていくさくら組(5歳児クラス)の万国旗づくり

選ぶ、ということ

四つのクラスを覗いて、私は改めて思いました。「これがいい」と自分で選ぶとき、子どもの目は違う輝きを帯びるのだ、と。誰かに言われて動くのではなく、自分の内側から「これをやってみたい」という気持ちが湧いてくる。その気持ちこそが、丁寧に塗る手や、優しく苗を包む指先や、貼る場所を選び抜くまなざしを生んでいるのだと思います。二歳の「ここに決めた」から、五歳の「こう塗りたい」まで。選び取る力は、こんなにも早くから、こんなにも豊かに育っているのですね。この小さな「自分で決めた」の積み重ねが、やがて自分の力でやり遂げる自信につながっていくと、私は信じています。

運動会の日、我が子が身につけている宝物や、はためく万国旗を見かけたら、どうか聞いてみてください。「これ、どうやって選んだの?」と。きっと、その子だけの物語が返ってくるはずです。次の一週間、子ども達がまた何を「これがいい」と選ぶのか、私も楽しみにしています。🎏

園の普段を、その目で見にきてください。

ブログで気になったことは、見学で直に確かめられます。お気軽にどうぞ。

「これがいい」から、夢中は始まる|認定こども園 せんだん幼稚園