
梅雨が明け、園庭にはセミの声と子ども達の歓声が響く季節になりました🌻 水あそびに絵の具あそび、外へ内へと、あそびの舞台もにぎやかです。そんな今週、園のあちこちで同じような声が聞こえてきました。「ねえ、これ、○○みたい!」目の前のただのモノが、ふとした瞬間に別の何かへ姿を変える——子ども達の見立てが、あそびをぐんと広げた一週間でした。
葉っぱも、色水も、特別なモノに
久しぶりのベビーガーデンに出かけた、すみれ組(1歳児クラス)の子ども達。可愛らしい葉っぱを一枚見つけると、宝物を扱うように、そっと大事そうに握りしめていました。トンボが飛んでくれば、「まってー」「おいで」とお友達と一緒に追いかけて。大人にとってはなんてことのない一枚の葉っぱ、一匹のトンボが、この子達にとってはかけがえのない特別なモノなのですね。

いちご組(2歳児クラス)では、2回目の色水あそび。ポンプの使い方もぐっと上手になり、それぞれが思い思いの「ミックスジュース」を作っていきます。自慢の一杯ができあがると、椅子に腰かけてお友達と「かんぱーい!」。飲んだフリをしては「美味しいね」と笑い合う姿が、なんとも微笑ましいのです🥤 あそび終わりには、ペットボトルで作ったシャワーから水がこぼれ落ちる様子をじっと眺めて、「雨みたいだね」と、こんどは空を思い浮かべていました。

花火と、ドラゴンフルーツ
うめ組(3歳児クラス)が挑戦したのは、画用紙に垂らした絵の具をストローで吹き広げる「吹き絵」です。水が溜まりすぎるとうまく広がらないと気づいて量を加減したり、赤と青が重なって紫になる不思議に目を丸くしたり。試しては確かめる、その手つきは真剣そのものでした。やがて出来上がった作品を眺めた子ども達から、「花火みたい!」の声が。そこからは「お祭り行ったよ!」「お家でやった!」と、夏の思い出話で大盛り上がり🎆 担任もその声を受けて、次は花火のあそびへと計画を組み直したそうです。

さくら組(5歳児クラス)では、「フルーツバスケットをしよう!でも、フルーツがないね」という保育者の投げかけに、「作れば良いんだよ」と、すぐに答えが返ってきました。「どんなフルーツがある?」と尋ねると、りんごやぶどうに交じって、大人も驚く「ドラゴンフルーツ」まで飛び出します。無いものは自分達で生み出していく——さすが年長さんですね。翌日もそのカードであそびは続き、順番でちょっぴり心細くなる子がいると、周りの子が自然と寄り添う姿もありました。
見立てる、ということ
長年、子ども達のあそぶ姿を観てきて、私がいつも心を惹かれるのが、この「見立てる力」です。目の前にあるのは、色のついた水、絵の具の飛沫、庭に落ちた一枚の葉っぱに過ぎません。けれど子ども達は、そこに自分だけの物語を見つけ出します。誰かに「こう見なさい」と教わったわけではなく、自分の心がふっと動いた一瞬から、水は甘いジュースになり、飛沫は夜空の花火になるのですね。面白いのは、一人の「みたい!」がすぐに隣の子へと伝わっていくこと。乾杯ごっこになり、お祭りの思い出話になり、あそびはどこまでも広がっていきます。私は、こうして自分で意味を見つけ、それをお友達と分かち合っていく経験こそが、子ども達が自分の力で世界を面白がっていく根っこを育てているのだと思うのです。
夏は、子ども達の感性がぐんと豊かに育つ季節です。ご家庭でも、お子さんがふと口にする「これ、○○みたい!」に、ぜひ耳を傾けてみてください。その一言の中に、その子だけのまなざしが、きっと光っているはずです。次はどんな「みたい!」に出会えるでしょう。夏のあそびは、まだまだ続きます。
