
まだ日中は汗ばむ陽気が続きますが、朝夕の風や日差しの角度に、少しずつ秋の近づきを感じるこの頃です🍂 夏休みが明けて、久しぶりに戸外へ出た子ども達。園庭やお散歩の道で、大人の私たちよりも先に「小さな秋」を見つけていたのは、いつも子ども達の方でした。
手でたしかめる、小さな秋
久しぶりのベビーガーデンで、すみれ組(1歳児クラス)の子ども達が足を止めたのは、ヤマボウシの実でした。指先でそっと押してみたり、きゅっと潰してみたり。柔らかいような、つぶれるような、はじめての感触を、飽きずにじっくりと確かめています。「わお!」——見つけた驚きと不思議さの入り混じった声。やがて、ひとりの子が実をつまんで「はい、どうぞ!」と、隣の友だちにそっと手渡しました。ことばはまだ多くなくても、見つけたモノを介して、心が確かに通い合っています。

同じ頃、夏休み明け初めてのお散歩に出たいちご組(2歳児クラス)。道ばたのエノコロ草の前で、ある子が立ち止まりました。「なんか茶色になってる」「前は緑だった気がするな…」——夏のあいだの草の変化を、誰に教わるでもなく、自分の目でとらえていたのですね。手に取って横に振ってみると、ふさふさの穂がゆらゆら。「猫の尻尾だ!!」の一言に、みんなで大笑い🐈 揺れる穂を追いかけて、道草はしばらく続きました。

稲の色と、教え合うことば
バケツで育てている稲を観に行ったさくら組(5歳児クラス)。「少し茶色になったね」と、前回との違いにすぐ気づきます。そっと触れた子が「硬いね」。別の子は「葉っぱはベタベタしているよ。触ってみて」と、自分の発見を隣の友だちに手渡します。教わるのではなく、子ども同士で教え合う姿。部屋に戻ると、細い穂の一本一本まで丁寧に描き、茶色や黄色を重ねて、色の移り変わりを絵と文にまとめていました。見て、触れて、感じたことが、その子の中でしっかりと形になっていきます🌾

大人より先に気づくのは
夏の終わりの草の色、実の手ざわり、稲の重み。大人はつい見過ごしてしまう小さな変化を、子ども達はいつも先に見つけます。「これ、何だろう」「やってみたい」——その内側から湧いてくる気持ちこそが、学びの本当の入口だと、私は長年の保育の中で感じてきました。そして、見つけた驚きを「はい、どうぞ」「触ってみて」と誰かと分かち合うとき、子どもの世界はぐんと広がっていきます。同じ時間に、同じモノを一緒に感じる——その積み重ねが、人を信じ、共に生きる心の土台になっていくのだと思います。
皆さんのご家庭でも、いつもの道を子どもの目の高さで歩いてみませんか。足元の草や木の実の中に、大人の気づかない小さな秋が、きっと隠れています。「見つけた!」と目を輝かせる瞬間を、どうぞ一緒に楽しんでいただけたらと思います。これからの季節、園庭がどんな色に染まっていくのか、私も楽しみです。
