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「これ」と決めた、わたしのいろ

2026.10.17

「これ」と決めた、わたしのいろ

朝晩の空気がひんやりとして、園庭の木々も少しずつ色を変え始めました🍂 日差しの角度が低くなり、秋がゆっくり深まっていくのを感じるこの頃です。そんな一週間、園のあちこちで同じ姿が重なりました。色を、形を、量を——子どもたちが自分で「これ」と決める場面です。0歳のひよこ組さんから5歳のさくら組さんまで、年齢によって選び方の深さは違えど、どの子も真剣でした。

指先で、手を挙げて

ひよこ組さん(0歳児クラス)では、初めてのフィンガーペイントに挑みました。保育者が色画用紙と絵の具を差し出すと、どれを使うか、一人一人が指差しで答えていきます。すぐに「これ」と指先を伸ばす子もいれば、じっと見つめ、考えてから手を動かす子も。保育者はその間(ま)を急がず、一つ一つの指差しを受け止めていきました。言葉にならない「これがいい」が、小さな指先にちゃんと宿っていましたね。

初めてのフィンガーペイント、小さな指先で「これ」と選ぶひよこ組さん(0歳児クラス)
初めてのフィンガーペイント、小さな指先で「これ」と選ぶひよこ組さん(0歳児クラス)

すみれ組さん(1歳児クラス)では、外あそびで拾った石や木の実を持ち帰りたい子が増え、保育者が2色の紙でバッグ作りを用意しました。「どっちの色がいい人?」と問いかけると、何人かが迷いなく手を挙げます。シールもあっという間に貼れるようになり、「できた!」と駆け寄って見せに来る子が続きました。選ぶことも、できた喜びを誰かに伝えることも、この時期の大きな一歩ですね。

2色の紙から「これがいい」を選んでバッグ作りに取り組むすみれ組さん(1歳児クラス)
2色の紙から「これがいい」を選んでバッグ作りに取り組むすみれ組さん(1歳児クラス)

一本のクレヨン、ひとはけの絵の具

いちご組さん(2歳児クラス)は、クレヨンでお家の窓を描きました。好きな色を一本選び、丸や四角を自分なりに描いていきます。「ピンクの窓にした!」と教えてくれる子もいます。全体をぐるりと囲むように描く子、窓を一つずつ丁寧に囲む子、見本をよく見てから挑む子、黙々と手を動かす子——「選び方」そのものが、一人一人違うのです。「できたー!」の弾んだ声も、それぞれの色をしていました。

お気に入りの一本を手に、自分だけの窓を描くいちご組さん(2歳児クラス)
お気に入りの一本を手に、自分だけの窓を描くいちご組さん(2歳児クラス)

さくら組さん(5歳児クラス)では、発表会のプログラムに手形を押しました。絵の具を一色選び、自分の手を見ながら「このぐらいかな」と、必要な量まで自分で考えます。「くすぐったいね」と筆の感触を楽しみながら、手のシワの間まで細やかに塗っていきました。押し終えると、友達と手の大きさを見せ合い、「シワが違う」と笑い合う姿も。選ぶことが、色や形から「どのくらい」の加減にまで深まっているのですね。

手形を押したあと、友達と手のひらを見せ合うさくら組さん(5歳児クラス)
手形を押したあと、友達と手のひらを見せ合うさくら組さん(5歳児クラス)

選ぶ前の「間(ま)」を待つ

0歳の指差しから5歳の加減の見極めまで、どの姿にも共通しているのは、誰かに言われてではなく、自分の内から湧いた「これがいい」で動いていたことです。私は、子どもが自分で「これ」を選び取る——その小さな一歩こそが、やがて学びに向かう力の根になると考えています。大人はつい、早く・正しく決める手助けをしたくなります。けれど本当に大切なのは、選ぶまでのあの短い「間(ま)」なのだと思います。迷い、見比べ、心を決めるその時間を、急がずに待つ。待ってもらえた子は、「自分で決めていいんだ」という安心を少しずつ積み重ねていきます。それが、自信の芽になっていくのですね🌱

皆さんのご家庭でも、「赤いお洋服がいい」「こっちの絵本がいい」と、お子さんが小さな「これ」を主張する場面があるのではないでしょうか。急いでいる朝は、つい大人が決めてしまいたくなりますが、ほんの少しだけ、選ぶ時間を待ってみませんか。その指先の先に、未来へ向かう力が育っていますよ😊

園の普段を、その目で見にきてください。

ブログで気になったことは、見学で直に確かめられます。お気軽にどうぞ。